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著者による雑談会インタビュー

著書刊行記念インタビュー 第27回 竹内薫様さん

『自分の価値(ステイタス)を高める知力(インテリジェンス) 』

「猫好き科学作家」(サイエンスライター)として硬軟自在の執筆活動でご活躍中の竹内薫さん。今回、「知力」をテーマに、大人のための学びの極意を本書にまとめていただきました。人生のステップアップを目指す35歳前後の人に伝えたい「学びの本質」と「ものの考え方」とは。著書刊行にあたりお話を伺いました――。


竹内 薫(たけうち かおる)
1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、マギル大学(カナダ)大学院博士課程修了。理学博士。猫好き科学作家として硬軟自在の執筆活動を展開。最近は「たけしのコマ大数学科」(フジテレビ系)、「JAM THE WORLD」(J―WAVE)など、テレビやラジオでも活躍中。著書に『16歳の教科書』(共著:7人の特別講義プロジェクト&モーニング編集部 講談社)、『竹内流の「書く、話す」知的アウトプット術』(実務教育出版)、『99.9%は仮説』(光文社新書)など多数。



――本書のテーマは「知力」ですが、これはどういったことを意味するのでしょうか? また、なぜこのテーマでご執筆されたのでしょうか?

【竹内】 本書を書くきっかけは、僕自身が30代半ばごろ、知人から「あなたは知恵がないね」と言われたことにさかのぼります。それまで自分では、すごく勉強をしてきた実感がありました。だから、その人から言われたことで「知恵がないってどういうことだろう?」と深く考えるようになりました。

当時の僕は物事が思い通りに進まず、閉塞状態にありました。いわば人生の壁にぶち当たっていたのですが、やがて「その壁を乗り越える知恵が足りない」という意味で知人が言ったことに気づいたのです。

今、振り返ってみれば、知識はいくらでも積み重ねて頭に入れることはできたのですが、それを応用して社会の中で生かして自分の人生をうまく回していくことができていなかった。つまり僕には「知力」が足りなかったのです。知力とは抽象的な表現ですが、知識と知恵が相まって連動するものを指します。

――本書の読者層を35歳に設定していますが、どうしてこの年代で知力が求められるのでしょうか?

【竹内】 30代は20代と比べると、忙しさも責任も増して、ちょうど人生の壁にぶち当たる時期だと思います。その壁を乗り越えて、5年後、10年後、満足できる結果を出すためには、どんな状況下であっても、この年齢までに市場価値の高い人材であってほしいと思うからです。知力が備わっていれば、自分の価値を上げることができます。

一般的に人は、自分の人生のステップアップを願う際に知識に頼ってしまいます。その最たるものがマニュアルの存在ですね。世の中には数多くのマニュアル本も存在しており、私たちは何も考えなくても知識ある人から教わることができます。

しかしマニュアルに頼っている限りでは、自分独自の価値は出てきません。マニュアル人間は逆境に弱く、変化に対応するすべを持ち合わせていないからです。今のような景気が悪い時代には、知力の高い人の方が組織から必要とされます。

――知力に欠かせない知恵を身につけるポイントは何でしょうか?

【竹内】 まず挙げたいのは「単線から複線的な思考の転換」です。自分の人生の方向性が単線電車のレールのようになっていると、厳しい時代を生き抜いていけません。それだけしかない状態ではなく、いくつか選択肢を用意して、「こちらがダメでも自分にはこれがある」という他人よりも有利な状態をつくることが望ましいですね。

次に、「やりっぱなしにせず、一回一回、けじめをつける」ことも大切です。自分の周囲を見回して、人生がうまくいっている人とうまくいっていない人の差を見てみると、ステップごとにけじめをつけている人の方がうまくいっていますね。

たとえば、会社である重要なプロジェクトを成し遂げるのは苦しいことなのですが、途中で放り投げてしまうと今までの努力が水の泡です。仮にやめると判断しても、きちんと状況を整理して次に移ることで再チャレンジができます。

さらに「人の振り見てわが振り直せ」「他人の良いところをまねする」意識も重要ですね。成功している人には、ほかの人は持ち合わせていない何かがあるので、振る舞いや習慣にしていることなどをじっくり観察するとよいでしょう。

そして、意識と行動を変えて自分が成功を収めた場合ですが、「成功体験は次の段階に入ったらリセット」してください。人間は一度成功すると、過去の成功体験を引きずりがちなのですが、時代も移り経済状況も変化すると、それが通用しなくなります。

――本書の複線主義がいいというお話の中で、「人生はRPGゲームのようなものだ」とおっしゃられているのが印象に残りました。

【竹内】 RPGゲームでは、ある武器が敵に対して通用しなくても、別の武器を使って退治することができます。同じように、私たちも最低2つは他者には負けない強みを持っているとよいでしょう。

たとえば、英語も流ちょうに話せるし、プログラマーとしての腕もあるなど、ご自身の関心のある分野でいいと思います。ただし、専門分野を両方伸ばすには時間がかかりますので、覚悟を持って取り組まなければなりません。しかし、この努力が将来のリスクヘッジとなりますので、頑張って自己の能力開発をしていただきたいですね。

――それでは最後に、壁に直面して行き詰まりを感じている方々に対して、メッセージをお願いします。

【竹内】 30代も半ばになって壁を感じる人が多いと思います。もちろん個人差はありますが、社会構造によるところも大きいといえます。現在の日本社会では、いくら頑張って仕事をしても結果が出ないことの方が多いでしょう。

社会全体に閉塞状況が蔓延しているわけですが、私が30代のときも同じでした。ここで腐って投げ出してしまっては終わりです。何とか踏みとどまって頑張って勉強しておけば、40代で希望が見えるはずです。

ひたむきに頑張っていれば、5年後、10年後に必ず成果として表れてきますから、本書を読んでご自身の「学び直し」に生かしていただければ幸いです。

――ちなみに竹内さんは最近、「Twitter」を始められたそうですね。どんなつぶやきをされているのか興味津々ですが、ユーザー名を教えていただけますでしょうか?

【竹内】 「7takeuchi7」です。お気軽にお訪ねください(http://twitter.com/7takeuchi7)。

――本日は、どうもありがとうございました。


『自分の価値(ステイタス)を高める知力(インテリジェンス)』

『自分の価値(ステイタス)を高める知力(インテリジェンス)』

どうしても超えられない壁に
ぶち当たったときに読む「学び直し」の書

本書の詳しい内容はこちらから

 

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2010年の連載(1)はこちら
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